「神山まるごと高専」学生まるごと日記
【第11回】全力で楽しむ、全力でふざける

「神山まるごと高専」学生まるごと日記 【第11回】全力で楽しむ、全力でふざける
2023年4月、徳島県の山あいにある町、神山町に開校した「神山まるごと高専」。全国で20年ぶりに新設された、全寮制の高校専門学校として全国から注目を集めています。“テクノロジーとデザイン、起業家精神”を学べるユニークな学校には、いったいどんな学生が集まり、どのような勉強や寮生活を送っているのでしょうか。気になるあれこれを学生自らが綴る、人気連載です。

“神山まるごと高専生”の今がわかります。お楽しみください!
水祈さん

【第11回】全力で楽しむ、全力でふざける

書き手:藤條水祈さん(2年生)


この学校で過ごしていると、「大人びている」と言われる機会が多くあります。それはとても嬉しいことなのですが、その実態は思っているほど大人でもない一面もあるかもしれません。今回の日記では、まさに日記という言葉が似合うような、思い出深いイベントについて綴ろうと思います。

最初にお話しするのは、11月14日に開催された「SP運動会」。これまで運動会がなかった神山まるごと高専。開校から3年目になった今年、とうとう初めての運動会が開催されました! 学生約120人とSP(スカラーシップパートナー)の皆さん約80人で、合わせて200人で作る運動会です!

スカラーシップパートナー(以下 SP)は、神山まるごと高専を支える11社の企業のことを指します。これらの企業から神山まるごと高専は一社10億円の寄付をいただき、この寄付の上で私たちは授業費無償という環境で学ぶことができています。

SP企業については、神山まるごと高専公式ページの「パートナー」をご覧ください!

SP運動会の集合写真
▲全力で遊ぶという表現がとても似合うSP運動会。最後に撮った集合写真です。

普段はSP活動として、各学年4人の学生と企業の社員さんが一丸となり、一つの課題に取り組んでいます。2年生の課題は「2026年4⽉に、AIを活⽤した、若者に関連する新規事業を提案してください。」と言うものです。私もメンバーと共に入社2年目の社員と言う設定の元、新規事業を考えているのですがとても難しくて煮詰まっています……。

普段の活動は学生とSP企業さんの関わりがメインで、SP企業さん同士が関わる機会はあまりありません。そのため、今回の運動会ではSP企業さん同士の交流も目的に含まれ、開催にいたりました。11社の企業に加えて学校のスタッフチームも参戦。チームごとにお揃いのカラーを着用して、まさかの12色対抗運動会です!

私が所属するSP企業は「ロート製薬」です。ハチマキは、ロート製薬のコーポレートスローガン「ロートは、ハートだ。」にちなんで、ハートカラーのピンクでした。

手でハートを作るチームロート
▲チームロートです! 中央でハートを作っているのが私。もちろん写真を撮るときのポーズもハートです。

競技は3競技。たったそれだけ?と思われるかもしれませんが、全て2年生が授業内で考えたオリジナル競技なんです! どれも既存の競技に一工夫加えた、一味も二味も違う競技です。

競技ルールブック
▲3つある競技のうちの一つ、「はじめてのおつかい」のルールブック。ルールからデザインまで、全て学生によって作られました。

私の激推し競技は、「はじめてのおつかい」です。これは、幼稚園生がスーパーにおつかいにいき、一品ずつ集めて料理を完成させる競技です。リレーを改良した競技で、必要のない材料を買ってしまったら、「フードロス」で減点になり、何をどのくらい購入するか戦略を練ることも必要になる競技。

競技中の様子
▲「はじめてのおつかい」の競技中の姿。

この競技の素敵なポイントは、走る人は全員、幼稚園の黄色い帽子を被らなければならないことです。高専生もSP企業の方も、みんな黄色い帽子姿。

選手たちの走りは「はじめてのおつかい」と言う言葉が似合わないほどすごく真剣で激しいもの。

その苛烈な競争と黄色い帽子とのギャップに、みていたら思わず笑みがもれてしまうでしょう。私も始終ニヤニヤした表情で、子供を見守る親のような気持ちになって、応援しました。

競技中のロートチーム
▲ロートチームの様子。三つ編みの後ろ姿が私。思わず前のめりになってしまいます。

12チーム中、優勝したのは、なんと私が所属するロート製薬SPでした‼

これまで学生のみの交流会で、SP対抗の勝負をする機会は何度かあったのですが、ロートチームはいつも下から数えた方が早い順位でした。そのため、まさか優勝するとは思っておらず、結果に本当に驚きましたし、とても嬉しかったです。

オリジナル競技を学生も大人も関係なく全力で楽しむ、そんな世界唯一の運動会でした。

ロートチームで集合写真
▲大好きなロート製薬の皆と、優勝を記念して集合写真!

次に紹介するのは、学生たちの全力のおふざけの様子です。去る10月31日。そう、ハロウィンの日!

神山まるごと高専に非日常が訪れました。毎日同じ寮から、同じ通学路で顔馴染みのメンバーと登校。それが私たちの日常です。しかし、ハロウィンの日は、見慣れない顔ばかり……。ふと振り返ると、ひっそりとカオナシが立っており、目の前でヘルメットを被って看板を持った4人がデモを起こしており、隣を通り過ぎたのは重要人物を護衛する黒スーツの集団……。

ハロウィンの仮装を楽しむ学生たち
▲ハロウィンの日に、廊下を歩いていた一風変わった雰囲気を放つ人々。

かく言う私は、2年生の女子たちでお互いの仮装をしました。服を交換っこして、お互いになり切る。いつもは見られないような友だちの姿が見られてとっても新鮮でした。

そして、私が大好きな仮装は、こちらの人たち(?)。

Adobeソフトのアイコンの仮装をする学生たち
▲デザイン関係に従事されている方なら、きっとおわかりいただけるアイコン仮装です!

学生にとってはお馴染み、学校のデザイン授業で使用しているアプリのアイコンです。この仮装が出てくるのは、神山まるごと高専ならではだなと強く感じました。「仮装をしよう!」と思ったときに、どうしたらこの仮装を思いつくのでしょうか? 様々な人たちが廊下を行き交い、印象深い10月31日でした。

さて、今回は私たちの全力で楽しむ姿をお届けしました。こんな日々のことを知ったら、「神山まるごと高専」に対してこれまで持っていた印象が、少し変わったのではないでしょうか? 

私たちは、「テクノロジー・デザイン・起業家精神」を学び、日々起業のアイデアを考えて行動したり、まるごと祭のように最高の体験を届けるために葛藤したり、本当に様々なことに挑戦しています。その活動は、これまでの連載でも知っていただけたかなと思うのですが、そんな日々の狭間に、私たちが全力でふざけたり、楽しんだりしていることを知ってもらえたら、すごく嬉しいです。

ここまで、読んでくださりありがとうございました! では、またいつか、お会いしましょう。

<書き手:藤條水祈(2年生)>