新しく連載コラムがスタートします。書き手は、徳島県の山あいにある上勝町という町で、カフェ「ポールスター」を経営されている東さん。 上勝町は、「ゼロウエ…
徳島といえば、「阿波おどり」。毎年8月9日から始まる鳴門市の阿波おどりを皮切りに、徳島市では11~15日まで開催されます。開催期間中には国内外より100万人を超える観光客が訪れるといわれている、日本を代表する盆踊りです。
阿波おどりでは踊りのグループを「連」と呼びます。学生連、企業連、地域の連など踊り好きが集まって結成された連の数は、1000を超えるとか。中でも歴史があり、技術に優れ、独自のスタイルを築き上げてきた連は“有名連”と位置付けられ、固定ファンも多いのが特長です。
本連載は、有名連のひとつ、「うずき連」の連員さん自らが執筆。日々の練習やオフシーズンの過ごし方、阿波おどりに対する思いなど、意外と知られていない活動の裏側も含めて惜しみなく語っていただきます。
有名連「うずき連」に所属する人たちの日常、そして等身大の姿を、ぜひお楽しみに!
【第1回】初めまして、「うずき連」です!
ゴールデンウイークが終わると、夕暮れとともに市内の至るところで響き渡る鉦(かね)や太鼓の音色は、夏の訪れを感じさせてくれる徳島ならではの風物詩です。今では徳島が世界に誇る伝統芸能である「阿波おどり」を後世に継承すべく活動する「うずき連」の日常を通じて阿波おどりの魅力をご紹介できればと思っています。初回は私、8代目連長の高瀬大輔がうずき連の歴史と連の特徴についてお話したいと思います。
うずき連は、昭和32年4月に「阿波商業銀行」、現在の「阿波銀行」の行員を中心にお盆の一日だけ踊るのではあきたらず、“自由にいつでも踊れる連を作ろう”と男性のみ22名で結成しました。当時としては珍しい銀行員や公務員が中心となったサラリーマンばかりの連でした。その後、昭和38年に女踊りが加わり、現在に至るまで鳴り物(鉦や大太鼓、締太鼓、笛、三味線など)、女踊り、男踊りの3パートで活動しています。
「うずき」という名前は、発足した月である旧暦の卯月と、発足メンバーが心に残った風景からひらめいた浮き月、そして「踊りたくて心がうずうずする」という3つの意味を込めて名付けました。シンボルマークになっているひょうたんを形取った「うずき」の文字は、連名の由来でもある「浮き月」からひょうたんを連想して、力強さとひょうきんさを兼ね備えた図柄となっています。
連の特徴は、「よしこの」の唄に合わせたややゆったりとした粋調(すいちょう:昔ながらのゆったりとした調べを表現するためにうずき連が独自に作った造語)のお囃子と、“女通りは優雅にそして女らしく! 男踊りはあくまでも力強くダイナミックに!”をキャッチフレーズに、“正調(伝統を受け継いだ正統派の意味)阿波おどり”を志しています。
現在の連員数は鳴物40名、女踊り38名、男踊り25名の103名で徳島県阿波踊り協会徳島支部に所属しています。平成26年に姉妹連の協定を結んだ高円寺阿波おどり連協会所属の「ひょっとこ連」とは年間4回合同練習を実施。互いに徳島と高円寺の阿波おどりに参加するなど交流を深めています。
阿波おどりの全国的な知名度向上に伴い、さまざまなイベントへの出演機会が増加、よって練習回数も増えることになりました。うずき連でも20年くらい前までは春からお盆までの練習とオフシーズンに数回練習する程度でしたが、現在では技術向上や体力づくりを目的に一年中練習しています。
年間の練習スケジュールは、4月からは週2回、5月は週3回、6月から夏本番までは週4回、9月から12月中旬までと1月中旬から3月までは週1回で、年間で延べ85回程度となっています。趣味としてはかなりハードですが、毎回たくさんの連員が参加してくれています。
次回は知られざる(⁉)衣装の秘密や、練習内容などについてお話したいと思います。
<書き手 連長:高瀬大輔>
うずき連
https://uzukiren.com/
Instagram @uzukiren
<出演スケジュール(~8月)>
5月31日・7月7日/阿波おどり会館(徳島市)
6月2日・7月20日/tonaru SETO(鳴門市)
8月11~15日/徳島市阿波おどり