「神山まるごと高専」学生まるごと日記【第2回】
私が「神山まるごと高専」を受験した理由

「神山まるごと高専」学生まるごと日記【第2回】 私が「神山まるごと高専」を受験した理由
2023年4月、徳島県の山あいにある町、神山町に開校した「神山まるごと高専」。全国で20年ぶりに新設された、全寮制の高校専門学校として全国から注目を集めています。“テクノロジーとデザイン、起業家精神”を学べるユニークな学校には、いったいどんな学生が集まり、どのような勉強や寮生活を送っているのか。気になるあれこれを学生自ら、綴っていただきます。乞うご期待!

【第2回】 私が「神山まるごと高専」を受験した理由

書き手:香留あんじ(3年生)


月に一度の学生まるごと日記! 第2回目は、「神山まるごと高専を受験した理由」について3年生の香留あんじ(かとめあんじ)が担当いたします! どうぞよろしくお願いいたします。

実は私、神山まるごと高専を知った当時は、中高一貫校に通う高等部の1年生でした。文系か理系か、どんな大学に行こうか……進路に悩む夏休みのある日、開校前の神山まるごと高専のサマースクールのニュースを偶然テレビで見かけました。「面白そう」と何気なく呟いた私の一言を聞いた母は、以前から神山まるごと高専に関心を寄せていたそうで、その日のうちに翌月開催のキャンパスツアーの情報を教えてくれました。

そして私は参加後すぐに受験を心に決めたのでした。中学時代の不登校期間を経て、高校生活に復学した私がなぜ中高一貫校を退学してまでこの神山まるごと高専を受験したのか、その理由を綴ります。

2022年、まだ建設中だった頃のOFFICE
▲2022年、まだ建設中だった頃のOFFICE。改めて見ると、面影を感じます。

まずは母に勧められて初めて参加した学校のイベント、キャンパスツアー。当時は、実際に生活している学生はもちろんおらず、OFFICE(校舎)やHOME(寮)すらまだ完成していませんでした。しかし、個性豊かで魅力的なスタッフ(教職員)さんにたくさんお会いしてお話を伺うことができました。

当時の私は、大学受験のためだけのように思える勉強に本当に意味があるのかと悩んでいました(今ではその先に意味があったと理解できるのですが)。その悩みを打ち明けると、あるスタッフさんが、「この学校では、受験のためだけの勉強は一切ない。あなたの身になることが学べる」と力強く語っておられ、とても印象に残りました。

さらに、起業家育成を目的とした「Wednesday Night」というイベントが水曜日にあることを知りました。「Wednesday Night」とは、起業家、経営者、アーティストなど、世の中にまだない価値を生み出した経験のある方々が学校に足を運んでくださり、ご自身の生い立ちや起業に至るまでの秘話、本気のビジネスピッチ(短時間で事業や自社商品などをプレゼンすること)など、様々な講演をしてくださるイベントです。

「ナイトセッション」の焚き火
▲「ナイトセッション」の焚き火。

夜には焚き火を囲みながら、抽選で当選した少人数の学生と起業家さんとでお話しできる「ナイトセッション」も! 「Wednesday Night」でも「ナイトセッション」でも起業家の方々が、学生の様々な質問や疑問、悩みに全力で向き合ってくださいます。

このイベントの存在を知ってから、神山まるごと高専を受験することを決めました。

入学後、実際に、迷ったり悩んだり考えすぎてしまって、はじめの一歩がなかなか踏み出せないという私の悩みにある起業家さんは、「迷っている時間がもったいない。私だったら迷っている暇があったらどちらか決めて次の行動を起こす」とメッセージをくださり、強く背中を押してくださいました。そのおかげで、物事を起こすことが怖くなくなりました。

そこで、2年生になってすぐには演劇部を立ち上げ、全国初の「Podcast部」にも入部しました。高校時代、何事にも消極的だった私が、行動を起こすのがここまで早くなった理由は、起業家さんの熱いメッセージをいただいたからだけではありません。個人のチャレンジを応援してくれる、学校全体の雰囲気に後押しされたのも事実です。すでに起業している学生にも感化され、私も今年度中に起業したいアイデアを温め中です。

今回「神山まるごと高専を受験した理由」を改めて振り返ると、魅力的なスタッフさんとの出会い、そして、起業家精神を育成するカリキュラムに惹かれたことが大きく影響していました。

そんな15歳の私の選択は、3年生になった私の新しいチャレンジに繋がっています。次回執筆を担当する際には、そのチャレンジについてもお伝えできればと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。