「神山まるごと高専」学生まるごと日記
【第8回】学生たちの夏休みの挑戦

「神山まるごと高専」学生まるごと日記 【第8回】学生たちの夏休みの挑戦

2023年4月、徳島県の山あいにある町、神山町に開校した「神山まるごと高専」。全国で20年ぶりに新設された、全寮制の高等専門学校として全国から注目を集めています。“テクノロジーとデザイン、起業家精神”を学べるユニークな学校には、いったいどんな学生が集まり、どのような勉強や寮生活を送っているのか。気になるあれこれを学生自ら、綴っていただきます。乞うご期待!

今月より月2回の更新とさらにパワーアップ! これまで以上に“神山まるごと高専生”の今がわかります。お楽しみください!

【第7回】「学生寮長のお仕事」

書き手:若宮小芭音(2年生)


第8回は第3回と同じく、2年生の若宮小芭音が担当させていただきます。本記事では、8月半ばから9月末までの長い夏休みやその後の期間で、学生がどんな活動をしてきたのかをご紹介します!

▲私の近影です。季節外れの半ズボンを履いています(10月)。

第5回の連載でも瀬川理楽さんが紹介していましたが、神山まるごと高専は、平日受ける授業の他に、放課後の時間や長期休みを使って行う”課外活動”が盛んです。ロボットでミッションを達成する「ロボットコンテスト」、プログラミングでスマホのアプリなどを開発する「高専プログラミングコンテスト」、自分のアイディアを社会に向けて発表する「プレゼンコンテスト」など、その活動は多岐にわたります。

その中で今回ご紹介するのは、「プレゼン甲子園」、「パソコン甲子園」、「VISION MASHUP STAGE~私が握る未来設計図for2050〜」の3つです。

まず、「プレゼン甲子園」についてです。本校からは2回目の出場となります。2年生の福西かい里さん、市川珠莉南(しゅりな)さん、北尾光さんの3名が、「カムヒア」というチームを組んで挑戦しました。今年度の大会テーマは「多様性と寛容性が織りなす未来への提言」です。今年、カムヒアの皆さんはテーマを知って、「違いを面白がれたらいいな」という思いを抱き、カードゲームの作成を行って発表に至ったと話していました。

皆さんはただアイディアを語るだけにとどまらず、試作品として形にし、当日なんと審査員の皆さんに配布するところまでたどり着いたそうです。話を聞いていてその行動力に驚きました。大会に挑む中で、抽象度の高いテーマの認識をチームの中ですり合わせることに、最も多くの時間を使ったそうで、実はアイディアにたどり着くまではあっという間だったとのこと。自分たちのアイディアを積極的に言葉に、形にして発表する姿は周りの学生を奮い立たせてくれます。熱意ある、とても素敵な3人です 

▲「プレゼン甲子園」に参加したカムヒアの学生(左から福西さん、市川さん、北尾さん)

次に紹介するのは、「パソコン甲子園」です。「パソコン甲子園」とは全国の高校生が集い、プログラミングの技術を競う大会です。問題は難易度別に10問前後あり、例えば学年全員にキャンディーを配るときに必要な個数を求める問題などに対し、条件をクリアするプログラムを早く正確に書くことが目的です。

本校からは、昨年度、今年度と連続で出場していて、いずれも残念ながら予選突破には至りませんでしたが、努力を積み重ね、昨年度よりも圧倒的に得点は大きくなりました。私自身、2年生チームとしてパソコン甲子園に参加しましたが、試合中だけでなくその後もメンバー同士でどんなプログラムにするべきだったか、夢中になって語り合いました。神山まるごと高専の学びの3軸、「デザイン、テクノロジー、起業家精神」の中で特に、テクノロジーの部分に挑戦する学生の姿です。

パソコン甲子園に参加した学生
▲パソコン甲子園に参加した学生(左から相木さん、丹那さん、佐藤さん、若宮) 

最後は、「VISION MASHUP STAGE~私が握る未来設計図for2050〜」です。この大会は、大阪・関西万博の会場で、徳島に関わる若者が、2050年の未来に向けたアイディアを発表するものでした。

神山まるごと高専からも4組が出場し、「パフェに甘えて」を発表した松井ひな子さんが見事受賞しました。実は、私もこの大会に企画側として関わっていました。昨年の夏から、7人のメンバーが、大会テーマやキービジュアルの構想、磨き上げプログラムのチームメンター等として活動してきました。自分の描いた未来、アイディアを万博プロデューサーに審査していただいた登壇者も、自分たちの関わった企画が万博という場で形になった企画者も、本当に多くの学びを得た大会でした。

最終日、私も司会者として前に立たせていただきましたが、観客のみなさんがプレゼンに夢中になる姿を見て、今までやってきて良かった、そして登壇者のみんなに負けないくらい、自分ももっと挑戦をしたい、と強く感じました。

「 VISION MASHUP STAGE~私が握る未来設計図for2050〜」にて企画チームとして司会をする学生
▲「 VISION MASHUP STAGE~私が握る未来設計図for2050〜」にて企画チームとして司会をする学生(西山さん)

以上、3つの課外活動の紹介でした。この他にも、神山まるごと高専生は自分たちの夢を叶えるためにそれぞれの挑戦をして、充実した夏休みを過ごしてきました。10月から始まった後期も、また神山という場所に集まって、SP(スカラーシップパートナー)発表会や「まるごと祭」など、待ち構えるたくさんの挑戦の機会に全力で向き合っています。どこかで高専生の活動を見かけることがあれば、ぜひ応援よろしくお願いします!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

<書き手:若宮 小芭音(2年生)>