徳島平野「きた阿波」に広がる、美味しい恵みを求めて
【第2回】“きた阿波”の砂地で育まれたご当地ブランド芋

徳島平野「きた阿波」に広がる、美味しい恵みを求めて 【第2回】“きた阿波”の砂地で育まれたご当地ブランド芋

はじめに

今回注目するのは、鳴門市から板野郡の吉野川北岸東部にあたる徳島県北東部エリアです。徳島県を東西に横切るように流れる吉野川は、かつて暴れ川と呼ばれ数々の大氾濫を起こした歴史を持つ川ですが、それにより肥沃な土壌を運び、吉野川中下流域に広がる徳島平野ではその恵みを受けてさまざまな農業が発展してきました。一方で、県最北東部の鳴門市から四国の中央部へ向かって阿讃山脈のふもとを走る撫養(むや)街道は、四国の東玄関口として人や物資などの往来で重要な役割を担ってきました。昨今では、大型ショッピングモールが進出しにぎわいを見せる板野郡藍住(あいずみ)町周辺は県内でもっとも人口増加率の高い地域になっており、郊外型都市と農業地帯が混在する二面性を持ったエリアです。

今回、私たちはこの徳島県北東部を“きた阿波”と名付け、豊かな“きた阿波”の土壌から生まれた美味しいものをご紹介します。第2回でご紹介するのは、この地域特有のミネラルが豊富な海砂の混ざる砂地畑が育んだ“きた阿波”定番の農作物です。


【第2回】
“きた阿波”の砂地で育まれたご当地ブランド芋

コンテナいっぱいのさつまいも


農家のお母さんの手づくりおやつ

にんじん畑が点在する板野郡藍住(あいずみ)町から、海を目指して東へと車を走らせると、次第にハスの葉が揺れるれんこん畑や広大な緑のじゅうたんが広がる芋畑へと景色は移り変わります。渦潮で有名な鳴門海峡がほど近くにあるここ徳島県最北部では、ミネラルを多く含んだ砂地畑ならではの農作物が盛んにつくられています。

なると金時の芋畑が広がる風景
▲ なると金時の芋畑が広がる風景。背後には阿讃山脈が緩やかな稜線を描いています。

なかでも、きた阿波を代表する定番の農産物といえば徳島県産ブランドさつまいも「なると金時」。栗のようなホクホクとした歯ごたえとほんのりとした甘さが特徴で、スイーツからおかずまでどんなアレンジにもぴったりの万能選手です。

まずはそんな、なると金時農家から誕生した美味しいスイートポテトをご紹介します。

なると金時農家を営む佐藤さんご家族
▲ 先代から継いだなると金時農家を営む佐藤裕司さん(左)と貴子さん(中央)ご夫妻。営業を担当する長男の佐藤輝典さん(右)。
砂が付いたままのなると金時
▲ 砂が付いたままのなると金時。出荷直前までこの状態のまま暗所で熟成されます。

「自分たちが育てたなると金時を使って、できるだけ添加物を使わずに手づくりのスイートポテトを子どもたちに食べさせてあげたいと思ったのがはじまりなんです」

夫婦でなると金時農家を営む佐藤貴子さんが自家製スイートポテトをつくりはじめたのはまだ子どもたちが小さい頃。友人知人にも振る舞っていたところ好評だったことから商品化することを決意し、2008年に菓子製造販売を行う「Casa de Pastel(カサ・デ・パステル)」を開業。味や素材の改良を重ね、子どもたちへの溢れる愛情から生まれた「徳島スイートポテト」が完成しました。

佐藤貴子さんと、代表を務める長女の洋美さん
▲ 佐藤貴子さん(右)と、現在代表を務める長女の佐藤洋美さん(左)。事業名の「Casa de Pastel」は「お菓子の家」という意味。
「徳島スイートポテト」を製造する様子
▲ 「徳島スイートポテト」を製造する様子。きれいな舟形にひとつひとつ手作業で形成します。

低農薬で育てた自家栽培のなると金時を、なめらかな舌触りになるようにと、丁寧に裏ごし。国産バターや徳島県産の和三盆糖、表面に塗る卵黄には徳島県内で生産されている「たむらのタマゴ」を使用するなど、材料ひとつひとつを厳選されていて安心感があります。そして、一番のポイントはラム酒(ラム酒なしもお選びいただけます)。奥深い香りとコクがプラスした、ホクホクのスイートポテトに仕上がっています。

 出来立ての「徳島スイートポテト」
▲ 出来立ての「徳島スイートポテト」。こんがり焼き色が美味しそう。

出来立てをすぐにマイナス35度で瞬間冷凍することで、美味しさをそのまま閉じ込めます。

「解凍してからオーブントースターで焼き直しすると焼き立ての味わいです。解凍せずに冷凍のまま食べればアイスのような食感が楽しめますよ」

徳島スイートポテト~Kaoru~(5個入り)

Casa de Pastelの商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。
徳島スイートポテト~Kaoru~(5個入り)

収穫後のれんこん畑
▲ 収穫後のれんこん畑。ときどきコウノトリがやってくるそうです。

「近くにコウノトリがよく現れるんよ!」と、教えてくれた佐藤さんご夫妻。なると金時畑の周囲にはレンコン畑も多く点在しており、水を張った畑でエサを探すコウノトリが見られるそうです。

「夏のれんこん畑も花が咲いてきれいだけど、冬は畑の水面が水鏡のようになる場所もあってそれもまたきれいなんですよ」と、日常の中に映し出されるとっておきの風景について話してくれました。


「なると金時の美味しさを広めたい!」

「なると金時農家を営むお義父さんからいただいたなると金時を初めて食べた時、その優しい甘さに感動したことを覚えています」と話す「なかのファーム」中野悦里香さん。

関西出身の中野さんは結婚を機に徳島県にやってくるまで、農業やお菓子づくりにはまったく縁がなかったのだそう。

中野悦里香さん
▲ 中野悦里香さん。

「夫の事業の一環で県外の店舗で販売するスイートポテト製造の話が舞い込み、最初はお義父さんのなると金時を納品するだけだったんですが、ひょんなことから私とお義母さんらでスイートポテトをつくることになったんです」

当初提供されたレシピは外国産の芋で考えられていたので、なると金時にただ置き換えただけでは思ったような味や見た目に仕上がりませんでした。そこで自分たちで試行錯誤を重ね、なると金時ならではの美味しさを引き出したスイートポテト「くりーみぃすいーとぽてと」を完成させました。

市場に並ばない規格外のなると金時
▲ 契約農家から直接仕入れたなると金時。市場に並ばない規格外のものを仕入れています。

「こんなに美味しいのに、規格外だからと市場に出せないなんて……」と、中野さんが仕入れるのは、でこぼこしていたり、大きすぎたりする規格外のなると金時です。

義父が農家をやめた現在では、紹介してもらったり自分たちで足を運んで探したりして、新たな仕入れ先を開拓。毎回、農家さんの元へ直接取りに伺っていると言います。「今年の芋はどういう出来かを教えてもらったり、どんな風に自分たちがお菓子にしているのかを伝えたり、農家さんと直接顔を見て話をする時間を大切にしています」

なると金時を焼いたあと、中身をほぐす作業
▲ 皮付きのままガスオーブンで焼いたあと、中身をほぐしていきます。

不揃いの芋は皮付きのままガスオーブンで焼き芋にしたあと、手作業で中身をほぐして生地をつくります。徳島県産の白あんや、風味付けとして少量のオレンジリキュールなどを混ぜ合わせた生地。その配合の7割がなると金時になるようこだわったのは「なると金時の美味しさをしっかり味わってほしい」との想いから。

ぷっくりとした山形の生地
▲ 生地を手のひらの上でころころと転がすと、あっという間にぷっくりとした山形に。
出来立ての「くりーみぃすいーとぽてと」
▲ 出来立ての「くりーみぃすいーとぽてと」。

しっとりクリーミーなスイートポテトは瞬間冷凍され、県内外に発送されます。また、鳴門市の瀬戸内海国立公園内に位置するリゾートホテル「アオアヲナルトリゾート」では、入浴などの待ち時間を利用して自然解凍し、お部屋食として楽しんでいただいているのだそう。

「移動販売の『ボンボニエール』さんはクレープに挟んで提供してくれています。私たちもイベント出店時にはスコーンやパイに挟んで提供することもあります」と中野さん。そのまま食べることももちろん美味しい「くりーみぃすいーとぽてと」ですが、アレンジもたくさん楽しめそうです!

くりーみぃすいーとぽてと(プレーン)16個入り

なると金時のおかし屋さん なかのファームの商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。
くりーみぃすいーとぽてと(プレーン)16個入り

阿波の土柱
▲ 阿波市にある「阿波の土柱」。アメリカのロッキー山脈の土柱、イタリアのチロル地方の土柱に並ぶ世界三大奇勝のひとつ。

そんな、中野さんのお気に入りの場所は阿波市阿波町にある「阿波の土柱」。約100万年前の堆積層が隆起し、長い年月をかけて雨風の侵食によって削られてできた珍しい地形です。国の天然記念物にも指定されています。年に1度はふらりと立ち寄るほど、中野さんにとってのパワースポットなのだそう。「案内してくださる地元のガイドさんがいるのですが、世界三大奇勝のひとつをこんな間近で観られるのはすごいことだと話されていて、毎回感動します」


売り切れ必死?! 注目の徳島産ブランド芋「蜜郎」

ところで、「なると金時」以外にも、美味しい徳島産ブランド芋があるのを知っていますか? その名は「蜜郎(みつろう)」。ねっとりとした食感と甘みに加え、上品なスイーツのような蜜芋系のさつまいもで、鳴門市で青果や水産物などの販売を行う「貴彩(きさい)」のブランド芋です。

貴彩常務・福山正史さんと、SNS担当の藤井陽菜さん
▲ 福山正史さん(左)と、SNS発信を担当しているスタッフの藤井陽菜さん(右)(画像提供:貴彩)。

きっかけは17年前(2018年)、「貴彩」の常務・福山正史さんが九州地方で見つけた蜜芋に衝撃を受けたこと。「ごつごつした見た目だが、鳴門の砂地で植えたらよくなるんじゃないか」と目を付け、地元で一緒に栽培にチャレンジしてくれる農園を探しはじめたところ、手を組んでくれたのが長谷農園さん。試行錯誤を経て砂地畑での栽培に成功しました。さらに、収穫後は湿度90パーセント、室温13度の空間で90日ほど貯蔵することで甘みが増し、熟成した唯一無二の美味しさに仕上がるそうです。

「長谷農園」での「蜜郎」の収穫の風景
▲ 「長谷農園」での「蜜郎」の収穫の風景。できるだけ有機肥料を使って栽培されています。
収穫機で掘り起こしている様子
▲ 収穫機で掘り起こされた芋はベルトコンベアに乗って手元まで上がっていきます。

収穫は8月から11月末ごろまで。10月末ごろから2月ごろまでネット注文を中心に販売されますが、今では、予約だけで売り切れてしまうほどの人気に!

蜜郎
▲ 「蜜郎」。焼き芋でいただくのがぴったり。(画像提供:貴彩)。

社名「貴彩」に込められたメッセージは「あなた(貴方)の食卓に、彩りを」。

栄養価が高い鳴門市里浦産わかめの販売からスタートし、糖度14度の甘さを誇るいちご狩りができる自社いちご園「貴彩ガーデン」を2023年にオープンするなど、美味しい食の提供に取り組み続けている貴彩。

tiktokやインスタグラムなどのSNSも積極的に更新し、「美味しいものを届けたい」と全国へと発信しています。

鳴門産さつまいも「蜜郎」約3kg(混合サイズ)

貴彩の商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。
鳴門産さつまいも「蜜郎」約3kg(混合サイズ)

夕暮れ時の芋畑
▲ 夕暮れ時の芋畑。筒状の塊は、収穫後の芋のツルを処分するため、ロール状に巻いたもの。

「わかめの収穫時期になると日の出とともに漁港から一斉に船が出て行く様子は圧巻です。夕暮れ時には、周辺の芋畑一面が真っ赤に染まる様子もきれいなんですよ」と、地元ならではの美しい風景について貴彩のみなさんが教えてくれました。

広大な畑、海……「きた阿波」の豊かな自然の恵みによって育まれた自慢の食材をぜひ味わってみてください。


Casa de Pastel(カサ・デ・パステル)
tel.088-699-2690
Instagram @casadepastel2008


なかのファーム
徳島県板野郡北島町鯛浜字川久保16-11
tel.088-698-5279
http://nakano-farm.info/
Instagram @nakanofarm2018


貴彩
徳島県鳴門市里浦町里浦字恵美寿291-2
tel.088-684-0105
https://n-irodori.store/
Instagram @kisai_premium
tiktok @kisai.select



Casa de Pastel

Casa de Pastelの商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。

Casa de Pastel

Casa de Pastel (カサ・デ・パステル)では、自家栽培のさつまいもを寝かし、甘みを最大限までひき出した状態でスイートポテトをひとつずつ丁寧に手作りしています。ほっこりとした鳴門金時本来の濃い甘みとほくほくとした質感をぜひお楽しみください。


なると金時のおかし屋さん なかのファーム

なると金時のおかし屋さん なかのファームの商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。

なると金時のおかし屋さん なかのファーム

なると金時のお菓子屋さん「なかのファーム」は提携農家さんから取り寄せた徳島県産なると金時芋をた〜っぷり使った手づくりのお菓子をつくっています。ひとつひとつ想いを込めてつくったお菓子。ひとくち食べればその愛情と優しさがお口いっぱいに広がります。


貴彩

貴彩の商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。

貴彩

貴彩という社名は「あなたを彩る」という意味です。 食は人が生きる上で最も大切なもののひとつ。あなたの食卓へ新鮮で厳選された農水産物をお届けします。 取扱い商品:わかめ・さつま芋(期間限定)