[今日は、どこから見てみましょうか。]
第32回:年が明けて半月が経つけれど、年末年始どう過ごしたか。

[今日は、どこから見てみましょうか。]<br>第32回:年が明けて半月が経つけれど、年末年始どう過ごしたか。

昨年末に作った「年末年始にやりたいことリスト」を一個でも多くクリアしたい! と躍起になっていたら、年が明けていた。書類の整理や積読している本を読むこと、パソコンのいらないデータを消したり、お店や家の大掃除をしたり。年末年始なら、普段できないことをやれるかも、と期待を抱いてしまうのは、私だけではないはず……。

ゆっくり過ごせばいいのに、と言われるけれど、そうできない性分のようで。何かしていないと落ち着かない、典型的なワーカーホリックだ。

結婚してから、新型コロナウイルスが拡大した年を除くと、年末年始は夫の実家がある大阪で過ごしている。上勝からいつも持って行くのは、読みたい本とコーヒー豆、いくつかの野菜。人混みが苦手な私は、起きたい時間に起きて、お義母さんの朝ごはんやお節料理を食べて、コーヒーを飲んで本を読み、夕食に自分が食べたいものを作って過ごす。勝手気ままな嫁である。

今年は「ポッサム」という蒸し豚、キンパ、セリのナムルなど、韓国料理を作った。

蒸し豚は酒、にんにく、生姜、塩胡椒、ハチミツを豚肉にすり込み、アルミホイルで巻いて、炊飯器でご飯と一緒に炊き上げる。手間がかからずできるのと、一緒に炊いたご飯にも良い香りや味がうつって、美味しい。

今回は、このご飯をキンパに使う。キンパは具材ごとに味付けし、炊いたご飯にごま油、胡麻、塩をかけて混ぜ、具材と一緒に海苔で巻いていく。個人的には、玉子は甘めに焼き、酸味の強いたくあんと、焼き肉のたれでしっかりと味付けした牛肉が好みなので、味見しながら自分好みのキンパを作る。

ポッサムは、サラダ菜にエゴマの葉と豚肉を挟んで食べる。買ってきたキムチや韓国海苔も好みで合わせて食べる。

年が明けたら初詣。水間寺にお参りする。今年は「水間千本つき餅つき」という行事に出くわした。決められた衣装をまとった男子たちが、8名1組で2臼ずつ、歌に合わせて木の棒で餅をつき、参拝者に配るもの。独特の歌と活気に私も含め、周りの観客は見入っていた。

参拝していると、境内脇の通路でちょうど餅つきが始まった。
和歌山市民図書館に併設されているカフェにて。読書する夫と覗き込む息子。

別の日には和歌山市民図書館へ。新しく美しい建物で、中は年末年始関係なく勉強したり、仕事をしていたりする(であろう)人たちでいっぱいだった。久しぶりに、図書館独特のし〜んとした緊張感のある空間。1階は書店とカフェがあり、ついつい新しい本に手が伸びる。持ってきた本、読むはずだったのに……。また、本が積み上がる。

〈今月の草花〜上勝だより〜〉

寒くて外に出るのが億劫になる季節だが、犬の散歩で出る時の、ちょっとした楽しみが「冬いちご」だ。道端にたくさん見つけることができるから、歩きながら収穫して食べる。小さいから、口に入れるとすぐに無くなるけれど、甘酸っぱさが季節を感じさせてくれる。

トゲを気にしながらも、息子は採ることに夢中で、急な斜面を登って落ちそうになるのを、母は下で犬と一緒に、はらはらしながら見ている。山の歩き方の勉強だね。

冬いちごを手にいっぱい持って。持ち帰って家に着く頃には手は真っ赤に。