徳島といえば、「阿波おどり」。毎年8月9日から始まる鳴門市の阿波おどりを皮切りに、徳島市では11~15日まで開催されます。開催期間中には国内外より10…
徳島では年明けから阿波おどり会館や地元のショッピングモールで新春公演が開催されています。阿波おどりは夏のイメージですが、年末年始も関係なく踊っています。うずき連も今年の夏本番に向けた練習を年明け2週目から開始しました。
昨年5月から始めた連載もいよいよ最終回となりました。最終回は、初回と同じく、8代目連長の高瀬大輔がうずき連自慢の個性あふれる連員の紹介と、踊りの構成・選出の考え方をお届けしたいと思います。
まずは個性あふれる連員たち。最初にご紹介するのは、うずき連と言えば“女踊り”ということで、若手のホープ、「多田優花」です。

2017年に阿波おどり会館で観たうずき連の女踊りに惚れ込み、中学1年生のときに入連。当時、うずき連では珍しい中学生連員ということで地元新聞にも取り上げられ一躍脚光を浴びました。練習にも熱心に取り組み、出演にも参加し始めた矢先のコロナ禍。家族に医療関係者がいたこともあり、4年間の休連を余儀なくされました。
「阿波おどりはすでに生活の一部だったので参加できないのはとても寂しかった」と、当時を振り返る優花さん。復帰してからは、4年間のブランクを取り戻そうと精力的に練習に励み、うずき連女踊りが目指す「やわらかさの中にも凛とした芯のある“しなやか”で“優雅”な踊り」を体現できるまでに上達しました。
現在は医療系の専門学校生。昨年からは協会の出演にも連の代表として多数出演し、本番の桟敷では念願であった女踊り最前列を任されるなど今後の活躍がますます楽しみな存在です。

次に、男踊りの若きベテラン、「坂本拓弥」をご紹介します。6歳から阿波おどりを始め、現在31歳ながらそのキャリアはすでに25年。うずき連で先に踊っていた父親の背中を追って中学生で入連しました。それ以来、踊りに対する飽くなき探究心は他の追随を許さず、自身の個性を確立すべく、とにかく真面目に練習しました。

たゆまぬ努力で築き上げたその踊りは、力強さに加え、キレや流れ、間を巧みに使いこなす華麗な団扇さばきが特徴。心優しくおっとりしているけれど、芯が強い性格です。家庭では子ども3人の良き父親であり、連では誰からも慕われ、信頼される若手の中心的な存在であり、今後うずき連を牽引していく有望株です。四半世紀で培った絶妙な色気とダイナミクスが融合した個性あふれる男踊り、要チェックです。

最後にご紹介するのは、うずき連会長であり、“鯉恵美(こいえみ)”こと「富本恵美子」です。

うずき連ファンであった父親の勧めで昭和45年(1970年)6月に入連してからは女踊り一筋! 踊り引退後は「阿波よしこの」の名手であった「お鯉さん(多田小餘綾/ただこゆるぎ)」に師事し、三味線・「阿波よしこの」の唄い手として、齢70を超えた現在も第一線で活躍しています。2011年から8年間、うずき連7代目連長として連をまとめ上げた後、昨年からはお鯉さんの「阿波よしこの」と、伝統ある「ぞめき」を後世に残したいという強い思いから「鯉恵美」としての活動にも力を入れています。

古き良き時代から受け継がれてきた伝統的な正調阿波おどりを志す、うずき連にとって、三味線と「阿波よしこの」は必ず継承していかなければいけない財産です。熟練の三味線と唯一無二の唄声を是非聴きに来てください。

【後編】では、踊りの演出や構成についてお話します。
<書き手:連長 高瀬大輔>
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うずき連
HP https://uzukiren.com/
Instagram @uzukiren
<出演スケジュール>(~4月まで)
★最新スケジュールは随時インスタグラムでご確認ください。
2月12日(水)/ひょっとこ連合同練習(徳島市/東部防災館おきのすインドアパーク)
3月12日(水)/阿波おどり会館(徳島市)
3月23日(日)/tonaru SETO(鳴門市)
4月27日(日)/徳島城阿波おどり(徳島市)