受け継がれて100余年の味、
徳島県民のソウルフード“竹ちくわ”

受け継がれて100余年の味、 徳島県民のソウルフード“竹ちくわ”


源義経も絶賛の美味しさ!?

一般的なちくわは真ん中に穴の空いた棒状の魚のすり身のことですが、徳島県ならではのちくわと言えば、竹の棒に巻きついたままの“竹ちくわ”。そのまま焼き上げることで竹特有のさわやかな風味が引き立つ、徳島県民のソウルフードです。地元で親しまれているだけでなく、お土産としても定着しています。

竹ちくわを手に持っている
▲竹ちくわ。手に持って食べやすいサイズ感です。

竹ちくわは両端に突き出た竹の棒を持って、豪快に丸かじりしていただきます。箸などを使わず、片手でも食べられるそのさまは、現代で言うフィンガーフード。
その歴史は古く、なんと平安時代までさかのぼると言われています。

日峰神社から小松島市街地を一望
▲日峰山(ひのみねさん)山頂にある日峰神社から。紀伊水道に面する小松島市街地が一望できます。

舞台は徳島県東部に位置する小松島市。ハモやしらす(ちりめん)などの海の幸に恵まれ、古くから漁業やかまぼこなどの水産練り製品製造業が営まれてきた港町です。

さかのぼること800年以上前、この町の漁夫たちが小魚の身を練り合わせて青竹に巻きつけ、焼いたものが竹ちくわのはじまりだと伝えられています。

小松島市の旗山にある源義経の銅像
▲小松島市の旗山にある源義経の銅像。

しかも、源平合戦で小松島に上陸した源義経が“竹ちくわをもらって食べて絶賛した”という逸話も! 昔からこの地で竹ちくわが愛されてきたことがうかがえます。


明治末期から愛される老舗

小松島港のほど近くにある「谷ちくわ商店」は、明治末期の創業以来、竹ちくわをつくり続ける歴史ある名店です。

谷ちくわ商店の店舗兼工場。車が数台停まっている。
▲谷ちくわ商店の店舗兼工場。

地元の方から観光客まで、連日多くのお客さんが、竹ちくわをはじめとするさまざまな練り物を求めて立ち寄ります。

「店舗の営業は7時からですが、じつは開店前からこっそり店の扉は開いているんです。それを知っている地元の方が、営業前から出来立てを買いに来られたりもするんですよ」と教えてくれたのは、「谷ちくわ商店」代表の谷泰志さん。

夜明け前から製造をはじめ、出来上がった順に店頭へ商品を並べています。

ちくわのパッケージを持ち微笑む、代表の谷泰志さん
▲代表の谷泰志さん。
冷蔵庫内にあるたくさんの練り物
▲店頭には、常時14種類の練り物が並びます。

出来立てを食べられるのは地元の特権! 山盛りの竹ちくわが朝の食卓に並ぶのは徳島ならではの光景です。


青竹が香る、美味しさの秘密

竹ちくわの魅力はそのユニークな見た目だけではありません。味はもちろんのこと、プリっとした食べ応えのある弾力もそのひとつ。

すり身に氷を加える準備をしている様子
▲すり身に氷を加える準備をしている様子。

この弾力の決め手となるのが、“塩ずり”と呼ばれる工程です。塩ずりとは、スケトウダラやグチなどのすり身に、塩を加えて練り上げること。すり身に粘り気が生まれ、加熱後にプリっとした食感になるのです。

さらに、すり身の温度が上がりすぎないよう、氷を加えることも仕上がりの弾力性に関わる重要な工程のひとつ。その日の温度によってタイミングを見極めながら行うそうです。

製造ラインにセッティングされた、たくさんの竹の棒
▲製造ラインにセッティングされた竹の棒。棒の長さは12.6センチ。
竹の棒にすり身を巻きつける機械
▲竹の棒にすり身を巻きつけていきます。

こうして、調味料も加えて練り上げたすり身は、製造ラインに乗せて、成形、焼成へと進みます。

棒の部分は、天然の青竹を使用。機械にセッティングすれば、あっという間にぐるっとすり身が巻きつけらます。そのまま、一本一本をくるくると回転させながら香ばしく焼き上げます。

回転させながらじっくり焼かれる竹ちくわたち
▲回転させながらじっくりと焼き上げます。

わずか5分ほどで、竹ちくわが焼き上がりました。
年間120万本近くも製造されているそうです。

冷ました後に包装されようとしている竹ちくわたち
▲冷ましたあと、8本入りや10本入りなどに包装していきます。
横にすだちが添えられた「谷ちくわ商店」の竹ちくわ
▲「谷ちくわ商店」の竹ちくわ。10本入りの包み紙が、昔ながらの懐かしい雰囲気。

すだちや醤油をさっとかけて食べるのが定番。
ときには、マヨネーズやわさび醤油などで“味変”するのもおすすめです。


ピリ辛が決め手! カレー風味のかつ天

また、竹ちくわと並ぶもうひとつのソウルフードが、“フィッシュカツ”こと「かつ天」です。こちらも谷ちくわ商店を代表する看板商品です。

揚げてすぐの「かつ天」
▲揚げてすぐの「かつ天」。

手のひらサイズのすり身がまとった衣は、カレー粉やさまざまなスパイスを独自配合したパン粉。サクッと揚げれば、かつ天の完成です。
カレー風味に加えて唐辛子のピリッとした辛さがクセになる一品です。

両面が軽く焼かれ、横にマヨネーズが添えられたかつ天
▲かつ天。両面を軽く焼くのがおすすめ。

オーブントースターやフライパンで表面をカリッと焼けば、香ばしさが増してより一層美味しさが引き立ちます。そのままでも十分美味しいですが、醤油やソース、マヨネーズなどもお好みでどうぞ。

かつ天、レタス、チーズ、マヨネーズを挟んだかつ天サンド
▲かつ天サンド。

アレンジレシピとしてのおすすめは「かつ天サンド」! カレー風味のかつ天と、まろやかでコクのあるスライスチーズ+マヨネーズとの相性は抜群。さらに千切りのキャベツを加えてトーストでサンドすれば、食感も美味しさも倍増した、ボリューミーなサンドウィッチの出来上がりです。

また、このかつ天を焼きそばやお好み焼きに入れて楽しむのも地元ならではの楽しみ方です。


隠れた名物、極薄のごま天も

“角天”と呼ばれる四角い揚げかまぼこ(さつま揚げ)に黒ごまが入った「ごま天」も根強い人気を誇っています。

成形して出てきた、揚げられる前の「ごま天」
▲すり身の状態から、成形して出てきた「ごま天」。

極限まで薄くしたごま天は、しっかりとした風味と弾力に仕上げているため、意外にも食べ応えがあります。

たくさん積まれたごま天たち
▲黒ゴマの風味が広がる、こだわりの薄さ!
上からプレスされているごま天たち
▲仕上げに、しっかりと薄く仕上げるためにギュッとプレスします。

この薄さとプリっとした食感のおかげで、何枚でも食べられてしまうほど。10枚入りのごま天でもぺろり確実です。短時間でも味がよく染み込むため、煮物やおでんの具にぴったり!

3分の1ほどにカットされたごま天をお箸でつまんでいる様子
▲おかずとしてはもちろん、酒のつまみとしても活躍。

また、酢のものや和えものなどに入れる油揚げの代わりにごま天を使えば、いつもとは違った味わいを楽しむことができます。

ちくわのパッケージを持ち微笑む、谷泰志さん
▲谷泰志さんは、谷ちくわ商店の4代目。

「ずっと変わらず、この味を守り続けていきたい」と、代表の谷さんは話します。

「お盆や正月などに県外に暮らす家族が集う機会に食べていただくこともあるようです。“いつ食べても変わらない”、“懐かしい味”と喜んでいただけるようにつくり続けたいですね」

伝統の味を守り続ける谷ちくわ商店の竹ちくわ。時代や世代を超えて愛される徳島県民のソウルフードは、ご飯のお供にはもちろん、お酒のアテにもぴったりです。まだ食べたことのない県外の方にこそ、ぜひ一度味わってほしい逸品です。


谷ちくわ商店
徳島県小松島市横須町3-59
TEL 0120-086-702
https://www.tanishouten.co.jp/



練り物4種詰め合わせ

谷ちくわ商店の商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。

練り物4種詰め合わせ

天然の青竹に巻き付けて丁寧に焼き上げた竹ちくわや、徳島独特の練り物フィッシュカツ(かつ天)、薄さが魅力のごま天など当店人気の練り物4種を詰め合わせました。