生産者へのリスペクトから誕生した
鳴門金時の新しいカタチ

生産者へのリスペクトから誕生した<br>鳴門金時の新しいカタチ

絶賛される“徳島県産”

とある和食料理店へ取材に伺った際に店主から聞いた言葉が今も印象的に残っています。「徳島県産の食材は素材そのものが抜群なので、私たちはその良さを損なわないようにするだけなんです」。

その後取材した洋食店、中華料理店、エスニック料理店など、多ジャンルの料理人からも同じような言葉を聞いたことがあります。また、東京と徳島、二拠点に住居を構える飲食関係者からは「東京のスーパーで売っている野菜が食べられなくなった」と言わしめるほど。

これは舌と目の肥えた料理人に限ったことではありません。徳島に移住してきた人たちからも「引っ越してすぐに感動したのは、野菜の美味しさ」とよく耳にするほど、野菜をはじめとする徳島県産の食材はクオリティが高いことで知られています。一方で、味は抜群でも大きさや形など、規格から外れてしまったがために出荷ができず、捨てられてしまう野菜があることも事実です。

さつま芋とレンコンで有名な松茂町に拠点を置く「吉田青果」。SDGs(持続可能な開発目標の略語)が浸透し始めてきた2020年に、規格外の野菜を使った加工品の製造販売事業を展開し始めました。

▲生産者へのリスペクトを。「吉田青果」は農業従事者の所得向上をモットーに掲げます。

個性的な“ほくほく系”の干し芋

「吉田青果」は昭和52年に創業、青果の卸売会社として、地元で丁寧に育てられた野菜を全国の市場へ届けてきました。しかし近年、全国的にも大きな問題となっている低所得を原因とした後継者不足や、生産者の高齢化による農業全体の衰退化を目の当たりにしてきた専務取締役の吉田正憲さんは、生産者さんに少しでも長く農業を続けてもらうために自分たちにできることはないかと模索します。

▲生産者ファーストを心がける専務取締役の吉田正憲さん。

そこで初めに思いついたのが、大きさや形の不揃いやキズもので出荷の難しいB品の鳴門金時を使った干し芋づくりです。B品といっても味に違いはありません。出荷することも可能なのですが、やはり価格は低くなってしまい、箱詰め作業などの手間やコストを考えると商売としては難しい。そこで、B品を買い取り、自社工場でそれらを用いて加工品を製造するようになりました。

▲美しい紫色は、ポリフェノールが豊富に含まれている証拠。

始めは大きな乾燥機もなく、手作業による天日干しからスタートしました。干し芋といえば、ねっちょりとした食感と口の中で溶けて行くように甘さが広がる、茨城県産「紅はるか」を思い浮かべる人も多いと思います。まるでスイーツのような味わいが印象的な一品ですが、鳴門金時の干し芋は紅はるかと対照的で、食べ比べてみると甘さはかなり控えめです。紅はるかの糖度40に対して、鳴門金時は16〜20と約半分です。

ただ、袋を開けた時にしっかりと感じ取れる香りの強さと、特徴であるほくほく食感を保持した程よい硬さは、ずっと食べ続けてしまう、やめられない、止まらない系。日本酒とのペアリングも良く、辛党の人にも推薦したい逸品です。

また、パッケージに“ほんとう”と名付けられているのは、余計な味付けを行っていない、本来の干し芋の味という意味。「吉田青果」では紅はるかの干し芋も製造していますが、県外のお客さんから好評なのは鳴門金時だそう。コロナ禍の外出自粛の影響による健康志向の高まりから、栄養バランスのいい健康食材としてさつま芋がブームになったこともあり、多くのリピーターが付く人気商品へと成長しています。

▲茹でたては中身の金色が強く、皮とのコントラストが美しい。
▲ボイル後は甘みを引き出すための工程(企業秘密)を経てスライス。乾燥室へ運ばれます。

食卓でも活躍する万能系チップス

干し芋と並び、チップスもサービスエリアなど県外ゲストの多い施設で人気を博しています。こちらも素材そのものの味を大切にするために砂糖・塩での味付けを施していませんが、3〜4度かむと鳴門金時の優しい甘みが口の中に広がります。

おやつやおつまみの一種のみならず、旬の野菜の上に散らしてオリーブオイルと塩で味を整えればサラダとして、食卓の一品にもなってくれる使い勝手の良さも魅力です。

▲スタッフが手早く手作業でスライスしていきます。
▲油をまとった照りの美しい姿と香りに食欲が刺激されます。
▲シンプルにオリーブオイル&塩で。チーズを散らせばワインのお供にも。

同じく、松茂町の特産品であるレンコンもチップスとして商品化しており、おやつとして食べたい、サクサク食感が楽しい一品に仕上がっています。

▲車のドリンクホルダーにピッタリ収まる容器がサービスエリアで人気の理由のひとつ。

歯磨きにも最適、ワンちゃん用干し芋

そして、多彩な商品が並ぶ中でも「吉田青果」が今、最も推しているのが、犬用の干し芋。友人から「犬は芋食うぞ!」と教えられたことがきっかけで開発がスタートしました。

食物繊維が豊富なのでヘルシーなおやつとして体型が気になるワンちゃんにもおすすめ。また、通常の干し芋よりも硬めに仕上げているので歯磨き用としても役立ってくれそうです。

▲噛みごたえは十分。ワンちゃんたちも、やめられない、止まらない。

鳴門金時は温暖で降雨量の少ない徳島県の気候に加え、海に近い立地により、砂地の土壌がたっぷりとミネラルを含んでいるのが美味しさの秘訣です。加えて、中身が黄金色をしていることから「金時」と名付けられたように、ヴィジュアルも美しい!

「吉田青果」では加工品だけでなく、鳴門金時そのものも販売しています。まずはシンプルに蒸かし芋や焼き芋にして素材そのものの美味しさをダイレクトに味わうのがおすすめ。ぜひ、それぞれのおいしさを堪能してみてください。


吉田青果
徳島県板野郡松茂町中喜来字群恵313
tel. 088-699-2641



吉田青果の商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。

鳴門金時の干し芋・チップスセット

徳島県の特産品の1つ、鳴門金時の干し芋、チップスの詰め合わせです。それぞれの味を楽しめるギフトとなっております。贈り物、ご自宅用として是非お試しください。


【犬用】ワンちゃんのおやつ干し芋お試し3個セット

徳島県産さつまいも鳴門金時で作ったワンちゃんのおやつ。虫歯予防に程よい硬さに乾燥しており、安心して与えることができるおやつです。