「神山まるごと高専」学生まるごと日記2026【第4回】神山まるごと高専に来て見つけた、神山町の魅力

「神山まるごと高専」学生まるごと日記2026【第4回】神山まるごと高専に来て見つけた、神山町の魅力
2023年4月、徳島県の山あいにある町、神山町に開校した「神山まるごと高専」。全国で20年ぶりに新設された、全寮制の高校専門学校として全国から注目を集めています。“テクノロジーとデザイン、起業家精神”を学べるユニークな学校には、いったいどんな学生が集まり、どのような勉強や寮生活を送っているのでしょうか。

神山まるごと高専生自らがライターとなって日常を綴る、人気連載も2年目を迎えました! 今年度は月1回のペースでお届けします。ご期待ください!
瀨川理楽さん

【第4回】神山まるごと高専に来て見つけた、神山町の魅力

書き手:瀨川理楽(3年生・兵庫県出身)

今回担当するのは、3年生の瀨川理楽(せがわりら)です! 

私が神山まるごと高専に入学した理由の一つは、「神山町」という場所でした。山に囲まれた自然豊かな町で、5年間暮らしながら学ぶ。オープンキャンパスで初めて神山を訪れたとき、「こんな場所で高校生活を送れたら楽しそうだな」と思ったことを今でも覚えています。 

入学して約3年。神山町で暮らしてみて感じるのは、この町の魅力は「自然」だけではないということです。もちろん、朝起きると鳥の鳴き声が聞こえたり、窓の外を見ると外の色が季節ごとに変わっていたり、学校へ向かう道で草花を見つけたり。そんな環境は今でも大好きです。

でも、暮らしていく中で私が惹かれるようになったのは、自然そのものというより、「そこにある自然を大切にしながら暮らしている人や文化」でした。そんな想いを一番強く感じるのが、私が最近行っている生け花ワークショップ「はなにふれる」です。 

生け花教室のポスター
▲ 生け花教室「はなにふれる」のポスターです! 

きっかけは、学校に飾られていた生け花でした。神山まるごと高専では、町民の方が定期的に校内へ花を生けに来てくださっています。毎回違う花が飾られていて、「いつも素敵だな」と思いながら眺めていました。 

生け花を教えてくれている町民の方とりらさん
▲ 生け花を教えてくれている町民の方と私。

ある日、思い切って話しかけてみると、生け花のお話や植物のお話をたくさん聞かせてくださいました。その中で私は、「生け花を教えてもらえませんか」とお願いしました。すると返ってきたのは、「せっかくだからワークショップにしてみよう」という言葉でした。その一言から、生け花ワークショップ「はなにふれる」が始まりました。

ここで使う植物は、お花屋さんで買ったものは一つもありません。神山町の山に咲いている草花や、庭で育てられた植物、その季節にしか出会えない枝や葉っぱを持ってきてくださいます。

神山町の山で採れた花々
▲ 神山町の山で採れた花々です! 

「昨日山で見つけてきたんよー」 

そんな一言と一緒に持ってきてくださる植物を見るたびに、こんなに素敵な草花が身近にあるのかと毎度驚かされます。 

生花中のりらさん
▲ 生け花をしている私。

また、教えてくださる方が大切にしているのは、「流派」ではありません。 

「植物が一番自然に、その子らしく見えるように生けること」

初めて聞いたときは少し驚きました。私は生け花というと、「正解があるもの」というイメージを持っていたからです。でも実際に花に向き合ってみると、一本として同じ植物はありません。曲がった枝も、虫に食べられた葉っぱも、その植物らしさなんだと教えていただきました。

初めて開催した「はなにふれる」には約15人が参加してくれました。完成した作品を並べると、本当に一つとして同じものはありませんでした。流石デザイン系高専生! どれも個性的で素敵なものばかりでした。

「玄関が明るくなった」 

「久しぶりにゆっくり花を見た」 

「癒やされた」 

生け花作品たち
▲ 生け終えた花たち。

そんな言葉をいただけたことは、今でも嬉しく覚えています。これからも、「はなにふれる」を通して、花と過ごすひとときや、少し立ち止まる時間を届けられたらいいなと思っています。 

ここでは、地域の文化に触れる機会もあります。 

七夕祭りの飾り
▲ 七夕祭り当日の飾りです!

例えば、下分地区で毎年開催されている七夕祭りです。七夕の時期になると、大きな笹にたくさんの飾りや願い事が飾られ、地域の人たちが集まります。神山まるごと高専ができてからは、学生も準備をお手伝いするようになりました。この活動は、まだ高専に1期生しかいなかった頃、学校スタッフの方が「一緒に行ってみない?」と学生へ声をかけたことがきっかけだったそうです。

学生と町民で七夕祭り用の笹の準備をしている様子
▲学生も町民の方も交えて七夕祭り用の笹の準備をしているところ。

最初は数人だった参加も、今では4学年合わせて20人近くが準備に参加するまでになっています。短冊を仕分けたり、飾りを笹につけたり。地域の方と一緒に準備をしながら、「学校生活はどう?」「どこから来たん?」と自然に会話が生まれる。地域のお祭りを外から眺めるのではなく、一緒につくる側になれることも、この町らしさだと感じます。 

そして、その「受け継ぐ」という文化は、現在準備を進めている「まるごと祭」にもつながっています。今年の祭チームのテーマは、「祭を高専の文化にする」です。昨年は、長い間途絶えていた神山町の伝統行事「棒搗き」を、地域の方々と学生が協力して復活させました。ただイベントを運営するだけではなく、地域に根付く文化や想いを受け継ぎ、次の世代へつないでいくことも、私たちの大切な役割だと考えています。

10月24日、25日に行われる今年のまるごと祭でも、地域の方々と一緒につくり上げる企画を準備しています。ぜひ会場に足を運び、学生と地域がともにつくるお祭りの雰囲気を感じてもらえたら嬉しいです。 

2025まるごと祭にて、棒搗き後の餅まきの様子
▲「2025まるごと祭」にて、棒搗き後の餅まきの様子。

自然の中で暮らす人がいて、その暮らしの中から文化が生まれ、その文化に学生も少しずつ加わっていけること。それが神山町の魅力なのだと思います。まだ知らない神山もきっとたくさんあります。だからこそ、残りの学生生活でも、この町ならではの人や文化に触れながら、神山町の魅力をもっと見つけていきたいです。

機会があればぜひ、みなさんも神山町に来てみてください。最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 次回号もお楽しみに〜。