これが味噌!?
時代の声に応え続ける老舗の心意気

これが味噌!?<br>時代の声に応え続ける老舗の心意気

新感覚! 味噌を使った新しい調味料

“809”と大きく書かれたパッケージ。まるで何かの暗号かのような謎の数字が目を引くうえに、スタイリッシュな装いがついつい気になり、「何だろう?」と手に取りたくなる存在感を放っています。

▲ 「809MISO」シリーズ。全5種を展開中(2023年2月現在)。

実はこちらは、味噌を使った調味料。徳島の味噌醸造会社「ヤマク食品」が2021年に発売した「809MISO」シリーズです。

▲ エリアマネージャーの川原大季さん。

「商品名の数字は、社名の“ヤマク(809)”を当てはめたもの。とにかくインパクトのあるネーミングにしたかったんです」と、ヤマク食品のエリアマネージャー・川原大季さん。

その思惑どおり、インパクト大のネーミングとパッケージにひと目で心を奪われました。

「味噌をもっと手軽に使ってほしい」との思いから誕生したという「809MISO」シリーズ。「かけるだけ」「混ぜるだけ」など、いつもの料理にちょっと加えるだけで手軽に美味しくアレンジできるとあって、その味や用途にも興味津々です。

町の声に応えて、味噌づくり

そんな新感覚の味噌の調味料を発売したヤマク食品は、明治27年(1894年)創業の味噌醸造会社。100年以上続く、老舗です。

創業当初は“阿波たくあん”と呼ばれる漬物を製造する漬物屋さんだったそう。その傍らでつくっていたのが味噌でした。

▲ 畑に囲まれて建つ「ヤマク食品」の本社。かつては漬物用の大根づくりが盛んだった地域にあります。
▲ 愛らしいイラストが目を引く看板。企業理念は「元気におはよう」。

「昔はどの家庭でも自分で味噌をつくるのが一般的でした。しかし戦後になり、外へ働きに出かける家庭が多くなっていったことで、自家製味噌をつくる習慣が途絶えていきました。そんななか、町のあちこちで“味噌をつくって売って欲しい”という声をいただき、味噌づくりに力を入れるようになったんです」。

戦後はちょうど“阿波たくあん”の衰退も重なった時期でもありました。本社のある藍住町の特産”藍”の裏作として盛んにつくられていた大豆、隣接する鳴門市でつくられていた塩、そして米と、素材も身近に揃い、味噌づくりの土台は十分。ヤマク食品は地域に愛される味噌醸造会社として大きく成長していったのです。

▲ 昔ながらの「御膳みそ」。徳島県の名産品です。

長きに渡り看板商品として親しまれているのが「御膳みそ」。米こうじをふんだんに使用し、甘みとコクが強いのが特徴。徳島県ならではの赤味噌です。

ヤマク食品では独自に「YK6号」という酵母を使って仕込み、塩分控えめ。深い甘味を持った甘口味噌に仕上がっています。多くの県民にとっては慣れ親しんだホッとする味。

このほかにも、白みそや赤だしといった定番味噌のほか、無添加にこだわったものや、大豆、米、麦、アワ、キビの国産五穀を使用したものなど、あらゆるニーズに合わせた味噌を製造しています。

▲ 「しぼり味噌」シリーズは、合わせみそや赤だし、ちゃんこだしなど全7種を展開中(2023年2月現在)。

2018年頃には、キャップ付きのスリムなパックに入った「しぼり味噌」を発売しました。パックをちょっと摘んで傾けるだけで、するすると簡単に味噌を絞り出すことができる画期的な仕様。片手でも適量を出しやすく、お湯にも溶けやすい工夫がされていて、「使いやすい!」の一言です。

「ライフスタイルに寄り添いながら時代に合った味噌を提案していけたら」。

伝統ある味噌づくりの製法を守りながら、新しい挑戦を続けています。

簡単に“味変”できる「809MISO」シリーズ

「もっと手軽に」「もっと使いやすく」、そんな味噌の新しいスタイルを求めて「しぼり味噌」と同時期ごろから進めていたのがフリーズドライの味噌“くだき味噌”を使った商品づくりでした。

“くだき味噌”は、味噌を真空乾燥させたあと粉末状まであえて砕かず、粗挽き仕上げ。ざくざくとした食感を楽しめ、噛むと味噌の風味がふわっと広がります。普段使いしやすいように試行錯誤を重ね、“くだき白味噌”と“くだき赤味噌”の2種をベースにさまざまな原料をブレンド。和洋中のどんな料理にでも使えるように配合のバランスを工夫し、ようやく2021年、前述の「809MISO」シリーズが誕生しました!

▲ 「809MISO」シリーズは、簡単に美味しく“味変”するのに最適。

さて、このオシャレなパッケージの「809MISO」シリーズは「かけるだけ」「混ぜるだけ」で本当に美味しく楽しめるのか、実際に使ってみました。

▲ フレッシュなサラダには「味噌とナッツ&クルトン」を(左)。茹でたブロッコリーには「味噌と花椒のごま油」、じゃがいもには「赤味噌と鰹節と黒ごまのシーズニング」を(右)。

オリーブオイルと塩をかけただけのシンプルな生野菜の上に「味噌とナッツ&クルトン」をオン。ナッツとクルトン、そして”くだき味噌”の三者三様の食感や歯ごたえがアクセントになって楽しいうえに、味噌の風味もプラスされ、あっという間に味も見た目もワンランク上のサラダに変身しました。

茹でたブロッコリーには「味噌と花椒のごま油」をかけるだけ。ピリリとした花椒の辛さに味噌のコクが加わった“食べるごま油”は、野菜との相性抜群なだけでなく、卵かけご飯や、豆腐など、いろんなトッピングに重宝しそう。

また、じゃがいものバター炒めには「赤味噌と鰹節と黒ごまのシーズニング」を振りかけるだけ。味噌と鰹節のうまみや味の深み、さらに黒ごまの香ばしさも加わるので、いつもの和え物にひと振りするだけで、味わいがワンランクアップ。普段よりも上品で奥深い味が楽しめそうです。

▲ トマトソースのパスタには「白味噌とチーズのシーズニング」をかけて。

トマトソースのパスタには、粉チーズをかける感覚で「白味噌とチーズのシーズニング」を。“くだき白味噌”のまろやかな風味が効いていて、ただ粉チーズを振りかけるよりもグッとコクのある風味に仕上がります。シチューなどのホワイトソース系の料理や、魚のムニエルとも合いそう。

ほかにも、「バーニャカウダ風ソース」はとにかく万能。ソテーしたお肉や温野菜を、ただディップするだけで美味しい一品が完成します。

「809MISO」の公式ホームページや、インスタグラムでは「809MISO」を使ったレシピがたくさん紹介されているのでぜひチェックしてみてくださいね。

このように「809MISO」シリーズは普段の料理に加えるだけで、簡単に味に変化を付けることができました! また、キャンプやバーベキューなどのアウトドアでの調理にもおすすめ。一本用意しておくだけで、マンネリになりがちなキャンプ飯の“味変”ができて、格段に楽しい時間になりそうです。

「飲む点滴」甘酒をもっと飲みやすく

味噌以外にもヤマク食品の人気商品と言えば甘酒。長年ヤマク食品で醸し続けてきた米こうじを生かし、製造しています。

▲ ヤマク食品でつくられている米こうじ。

「むかし神社のお祭りで飲んでいたような甘酒を楽しんでもらいたい」と、飲みきりサイズのカップ容器に入った甘酒です。砂糖ほか、余計な原材料は使わずノンアルコール仕上げ。米粒はすり潰しているため、小さな子ども(離乳食後期からOK!)や食欲のない妊婦さんにも飲みやすく、米こうじが生み出す自然な甘さが特徴です。冷めたままでも温めても美味しくいただけます。

「甘酒は“飲む点滴”と言われるほど栄養価の高い飲料。今もむかしと変わらず、子どもから大人まで幅広い世代に親しんでもらえたら」。

▲ 砂糖を一切使用せず、体にやさしい甘酒。プレーン、ピーチ、バナナの3種類。

時代が移り変わりライフスタイルが変化していくなかでも、その時代の声に耳を澄ませ、応え続けていくヤマク食品。これからも私たちの食卓に寄り添ってくれることでしょう。


ヤマク食品
徳島県板野郡藍住町奥野字乾170-1
tel. 088-692-2421
https://www.yamaku.co.jp/



ヤマク食品の商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。

809MISO 味噌とナッツ&クルトン

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