2023年4月、徳島県の山あいにある町、神山町に開校した「神山まるごと高専」。全国で20年ぶりに新設された、全寮制の高校専門学校として全国から注目を集…
2023年4月、徳島県の山あいにある町、神山町に開校した「神山まるごと高専」。全国で20年ぶりに新設された、全寮制の高校専門学校として全国から注目を集めています。“テクノロジーとデザイン、起業家精神”を学べるユニークな学校には、いったいどんな学生が集まり、どのような勉強や寮生活を送っているのでしょうか。
神山まるごと高専生自らがライターとなって日常を綴る、人気連載も2年目を迎えました! 今年度は月1回のペースでお届けします。ご期待ください!

【第6回】5年間の折り返し地点で、2期生の私たちが今思うこと
書き手:瀨川理楽(3年生・兵庫県出身)
今回担当するのは、3年生の瀨川理楽(せがわりら)です!
2024年4月に入学した私たち2期生も、気づけばはや3年生。この夏で5年間の学校生活の、ちょうど半分を迎えました。
入学からの2年半、授業やプロジェクト、寮生活を共にする中で、できるようになったことや、仲間との関係も少しずつ変化してきました。5年間の折り返し地点に立った今、私たちはこれまでの日々をどのように感じているのでしょうか。
今回は、ライターの小芭音、水祈、理楽の3人で、これまでの2年半とこれからについて話しました。夏休み中だったため、座談会はオンラインで開催。参加できなかったうめちゃん(梅原琉)と夏(下島夏)からも、後日コメントをもらいました!
理楽:5年間の半分が終わったけど、どうですか? 長かった、短かったとか、実感ある?
小芭音:そもそも、もう半分が終わった実感がない(笑)。「え、そんなに経ったの?」って感じ。
理楽:私もあっという間に感じるな〜。でも、授業やプロジェクトを振り返ると、できるようになったことは増えたよね。授業を通して成長を感じたことはある?
水祈:3年生になって、Webデザインの授業が印象に残ってる。これまでは見ているだけだったWebページを、自分でつくれるようになったことに感動した! 普段Webサイトを見るときも、「これを一から書くのは大変そう」「どうやって並べているんだろう」って、見方が変わった。

小芭音:分かる! 私も街を歩いていると、書体の名前やレイアウトが気になるようになって、「デザインをやっている人になってきたな」と思うことがあるよ。夏休み中にデザインの展示会に行った時も、専門的な会話ができるようになっていて楽しかった。
水祈: Webデザインに限らず、授業を重ねるごとに、デザインの意図を言葉で説明したり、プログラミングを使ってアイデアを実際に動くものにしたりと、学んだことを自分の制作に生かせる人が増えたよね。新しく学んだことを理解して、自分なりの形にするまでが、みんな本当に早いと思う。
小芭音:授業以外でも、夏休みにインターンへ行ったり、すでに起業して働いていたりする人が増えたよね。みんな積極的に外へ動いていて、すごいなと思う。
理楽:普通の高校に通っていたら3年生だから、もう卒業や進路を考える時期だけど、私たちにはまだ2年半あるんだよね。私は今、花や自然を通して、普段は見過ごしてしまうような身近な豊かさに気づけるきっかけをつくりたいと思っている。将来も花や自然に関わることをしたい、という方向は少しずつ見えてきたけど、それをどんな形で仕事にするのかはまだ模索中。残りの2年半で、デザインやテクノロジー、ビジネスをどう組み合わせたら、自分の思いを人に届く体験にできるのか、実践しながら深めていきたいな。そう考えると、まだ挑戦したり迷ったりできる時間が2年半もあるのは、ありがたいなって思う。
小芭音:本当にそう。それに、もし普通の高校みたいにあと半年でお別れだったら、さすがに寂しすぎる! 入学するときは、同じメンバーで5年間うまくやれるかなと思っていたのに、今はみんなと離れるのが寂しくて、5年じゃ足りないって思う。
理楽:一緒に過ごしてきたから、お互いのことも分かるようになったよね。作品を見ても、「これはあの人のデザインだ」「これはこの人の得意分野だ」って分かる。
小芭音:先輩や後輩とも仲良くなるけど、「もう一度どの学年になりたい?」って聞かれたら、絶対に2期生! 2期生キャンプでは、トランプをしたり、バーベキューをしたりして楽しかったな。みんな経験を積んですごい活動をしているけど、「ちょっと馬鹿かもしれない」と思えるようなことも、一緒にやっておきたい。

理楽:修学旅行みたいなこともしたい! いつか「あの人、昔はこんなことをしていたんだよ」って笑って話せたら楽しそう。
小芭音:今年は5月に学年対抗運動会もあったね。最初は「運動会だし」くらいの気持ちだったのに、負けたら本当に悔しかった。
水祈:みんなが本気で勝ちにいくの、部活みたいで楽しかった! 普段はそれぞれの活動をしているけど、全員でやるときはちゃんとやる。それが2期生のよさだと思う。

理楽:4年生になると寮も変わるし、これまでとは違う関わり方が生まれそう。来年には5期生が入学して、ついに全学年がそろうね。
小芭音:1年生から見たら、私たちも「雲の上の存在」みたいになるのかな(笑)。卒業後はみんな別々の場所へ行くけど、仕事でつながったり、ビジネスパートナーになったりすることもありそう。
水祈:どんな仕事でも、2期生と一緒ならやってみようかなと思える。これまで一緒に過ごしてきたから、人として信頼できるよね。将来のことを考えると、楽しみになったり、焦ったりするな。
理楽:やりたいことの輪郭は少しずつ見えてきたけど、卒業後にどこで何をしているかは、まだ全然分からない。でも、いろいろなことに飛び込む中で、自分の力を少しずつ信じられるようになったし、助けてくれる人や仲間にも出会えた。だから、「どうなるか分からないけど、絶対大丈夫」っていう根拠のない自信がある(笑)。残りの2年半も、実際にやってみながら、自分が本当にやりたいことを見つけていきたいな。
小芭音:私は入学前、寮生活がすごく不安で、親に泣きついて「神山には行きたくない」って言っていた。でも今は楽しすぎて、気づけば2年半。神山に来てよかったって本当に思う。
水祈:今の小芭音からは全然想像できない(笑)。でも、みんな環境への適応力は上がった気がする。
理楽:まだ半分、あと半分。学びも挑戦も、少し馬鹿な遊びも、2期生のみんなとだから絶対に楽しい。残りの2年半も、私たちらしく過ごしていきたいです!
夏:この前期は周りの人のことをより知れて、とにかくみんなと過ごすのが楽しかった。普通の高校ならあと半年しか一緒にいられないと考えると、5年間関われる高専っていいなと改めて思う。運動会で4年生の和さんと一心さんが作ってくれた「solidarity=連帯」(2期生を表す言葉として掲げられたもの)も、けっこう当てはまっているなって。それぞれ進む道が見えてきた中でも、協力したり知見を共有したりできているのがいい。私も、ホンノバ(神山町内に点在する「本のある場所」から、本を探せるウェブサービス)の未来について、仲間と話せたことが印象に残っている。残り2年半では、現実味は薄いけど、2期生みんなで気球に乗って空を飛んでみたい(笑)。

琉:この半年は、けっこう迷走した時間だった。時代の潮流にどう抗うか(社会の流れの中で、自分はどうありたいか)を考えすぎて、そのこと自体にまた悩んでいたので、後期は少し行動の比重を高めたい。周りを見ると、いい意味で「ぶれている」人(入学当初に思い描いていた方向から変化している人)が多い。それは、みんながそれだけの経験を積んできたからこその変化だと思う。その一方で、課題を共有するときには自然と全員が輪の中にいるような「ゆるい全体主義」があるのも、2期生らしさだと思う。残り2年半では、歩いてどこまで行けるのか試してみたい。大阪まで歩くとか(笑)。
私たちのおしゃべりはいかがでしたか。入学当初に抱えていた不安は、2年半を一緒に過ごす中で、仲間への信頼とこれからへの期待に変わっていました。
そんな私たちの「今」を実際に見てもらえるのが、来る10月24日、25日に開催される「まるごと祭2026」です。私はラボで、自然を感じることと私たちの豊かさをテーマにした体験型展示を行う予定です。ほかにも、学生一人ひとりの問いや挑戦から生まれた企画が集まります。ぜひ神山に遊びに来てください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました! 次回号もお楽しみに〜。
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