[連載コラム][第2回]
今日は、どこから見てみましょうか。

[連載コラム][第2回] 今日は、どこから見てみましょうか。

匂い、について。

前回の記事で自分探しの旅に出ていると書いた。
その後が気になるという人もいてその反響の大きさに少しびっくりしたけれど、その旅の経過はまた今度!

今日は匂いのお話だ。誰かと比べたわけじゃないけれど、私は割と匂いに敏感だと思っている。コーヒーの香りは私の癒しだし、鎮静薬でもある。香水をつけるのは休みの日だけ。どこにも行かない日でもつけて「休みの日作り」をする。

家のご飯は土鍋で炊くが、説明書に書いてある炊き方を無視して、焦げた匂いが漂ってきたくらいに火を消す、というのを目安にしている。だから基本、うちのご飯は底が焦げている。でもお焦げも美味しいし、ちゃんと炊き上がるのだからまぁいっか、ってテキトウな性格だ。こんな風に匂いに頼る場面が多いのが我が日常。

2020年4月と5月。私が営むカフェは新型コロナウイルスの感染拡大防止のために休業していた。
何かできることはないかと考えていたある日、「お店に来たような感覚を家で味わってもらえないか?」と考えた。そして当店のカレーのレシピを動画つきで公開した。うちのカレーの匂いは特徴的で、カレーを仕込んだ日に人に会うと「ポールスターの匂いがする」と言われることがある。匂いが共有できれば、たとえお店に来られなくとも、繋がっていられる気がした。このカレーは今でも作ってくれているお客様がいると聞くから、嬉しい。
匂いは主張、共感、安心など複雑ながらいろんな役割を持っている。

次回は匂いも関係のある料理について書こうと思う。

ポールスター・カレーのレシピ動画は動画配信サイト「YouTube」で見ることができる。



プロフィール
東 輝実 / Cafe polestarオーナー

1988年徳島県上勝町生まれ。関西学院大学総合政策学部在学中よりルーマニアの環境NGOや東京での地域のアンテナショップ企画のインターンを経験。

2012年大学卒業後、上勝町へ戻り仲間とともに「合同会社RDND(アール・デ・ナイデ)」を起業。2013年「五感で上勝町を感じられる場所」をコンセプトに「カフェ・ポールスター」をオープン。その後はカフェを拠点として「上勝的な暮らし」の発掘、情報発信、各種プログラムの開発などに取り組んでいる。2015年、男児を出産し1児の母。