おかずにデザートに味わい自在
栄養満点の希少な純国産きくらげ

おかずにデザートに味わい自在 栄養満点の希少な純国産きくらげ

国産はわずか3パーセント

中華炒めやスープなどの中華料理でお馴染みのきくらげ。シイタケやシメジなどと同じく菌床で育つきのこの一種ですが、国内のどのスーパーマーケットへ行っても手にできるのは乾燥きくらげばかり。しかもその97パーセントがじつは中国産なのです。ごく最近になって、国産品の需要が少しずつ高まってきたことから、国内でも徐々にきくらげ栽培が行われるようになりました。

そんな希少な菌床きくらげに取り組む企業が徳島県にも。徳島市で30年近く菌床しいたけづくりに携わってきた「多家良(たから)培菌」です。

▲ 中央に並ぶ5棟がシイタケやきくらげを栽培している「多家良培菌」のハウス。その他、近隣に合わせて17棟のハウスがあるそう。

「種菌の会社から勧められて試験的にきくらげを栽培してみたんです。産直市に並べてみたところ、国産のきくらげは珍しい!と喜んでもらえて手応えを感じました」と、多家良培菌の坂口愛子さん。

「国産の生きくらげが食べられるなんて!」「きくらげは体に良いイメージがある」といったお客さんからの声が後押しとなり、2018年から本格的に菌床きくらげ栽培をスタート。菌床シイタケと並行して栽培しながらも、年々菌床数を増やしていると言います。


きのこの種類ごとに培地をブレンド

きくらげの菌床づくりがはじまるのは、1月後半から2月頃。菌床づくりに必要な培地は、敷地内で蒸して熟成させているおがくずをはじめ、国産品にこだわったさまざまな原料を自社でブレンドしています。

しいたけときくらげの他にも、なめこやだもぎ茸など試験栽培を含むさまざまなきのこを栽培している多家良培菌では、きのこの種類や季節に合わせて培地づくりをしています。

▲菌床づくりに使うおがくずを蒸しているところ。
▲培地を袋詰めしている様子。その後、高温の窯で殺菌処理をします。

袋詰めした培地は、高温殺菌したあと、種菌が植えられます。「雑菌が入らないことがきのこづくりで何よりも大事なこと」と話します。

▲空調管理されたハウスでは、多種多様なきのこの菌床が並んでいます。

およそ4ヶ月ほど、寝かせて熟成。茶色い土色をしていた菌床が真っ白になってくると、きのこの菌がしっかり行き渡った証拠です。


湿度100パーセントのハウスで収穫

中国南部や東南アジア諸国の温暖な国が主な産地のきくらげ。成育環境の条件のひとつは、気温が23度以上あることだそうです。

初夏になった頃、菌床ブロックを包んでいた袋の一部をカットして、芽が出てくるように準備をします。待つことおよそ3週間。ムクムクときくらげが増え始め、耳たぶくらいの大きさまで育ってくれば、収穫のタイミングです。

▲まるで大きな耳のようなきくらげ。漢字で「木耳(きくらげ)」と書きます。

きくらげを育てているのは空調なしの自然のハウス。そのため、旬を迎える夏にはハウス内の温度は30度超え! しかも、乾燥が大の苦手だというきくらげなので、収穫時間以外は絶えずハウス内にミストを撒(ま)いて、高温多湿の環境を保っています。「湿度100パーセントのハウス内での収穫作業が一番大変。少しでも涼しい午前中にうちに収穫を進めています」。

▲1シーズンで1万ブロックの菌床をつくり、11月頃まで繰り返し収穫します。
▲1シーズンで1万ブロックの菌床をつくり、11月頃まで繰り返し収穫します。

旬の6月頃から10月後半までしか出回らない「生きくらげ」は国内栽培ならではの楽しみ方。「乾燥きくらげは水で戻すとコリコリとした食感なんですが、生きくらげはプリプリとした新鮮な食感が楽しめるんです」と、坂口さん。小松島市にある「あいさい広場」など徳島県内の産直市で購入できます。


多家良培菌の商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。
国産乾燥きくらげ 黒・白セット


レパートリーが広がるきくらげレシピを発信

きくらげはその栄養価も魅力です。

▲免疫力を高めるβグルカンや、むくみ予防のカリウムなど、うれしい栄養がたくさん。

食物繊維やビタミンD、鉄分が豊富と言われ、特に食物繊維は、100グラムあたりに含まれる量がゴボウの約10倍ほど。白きくらげは、カルシウムが牛乳の約3倍! 植物性コラーゲンなども多く含まれているので、さらに美容効果も期待できそう。

▲Uターンで家業に携わるようになった坂口愛子さん。

「小さい頃からしいたけが身近にありましたが、昔はきのこがそれほど好きではなかったんです」と笑う坂口さん。

「徳島県外に出ていたときもあったんですが、改めて実家で育てているしいたけを見たとき、県外のスーパーマーケットなどで見かけるしいたけよりも肉厚で立派なことに気づいたんです。こんなしいたけは県外では見たことがない! と思って、家業を継ぐ決意ができました」。

じつは野菜ソムリエの資格を持つ坂口さん。「きのこの美味しさを広めたい!」「中華料理以外にもきくらげを使ってもっと美味しく食べてほしい!」と、自社のホームページやレシピサイト(https://cookpad.com/jp/users/40265536)できくらげを始めとするさまざまなきのこ料理のレシピを公開しているのです。

▲ レシピサイトで投稿している「白きくらげときゅうりとわかめの酢の物」「きくらげ入りドライカレー」「きくらげと豚肉の炒め物(ムースーロー)」。

「私のイチオシはおでん。よく味が染み込んで美味しいですよ。白きくらげは黒きくらげよりも柔らかく舌触りがなめらかなので、スープや酢の物などにぴったり。白きくらげと黒きくらげの両方を使って彩りある酢の物にするのもおすすめです。きくらげをシロップ漬けにして、ヨーグルトや豆花(トウファ ※台湾スイーツ。豆乳ゼリーのようなもの)などのトッピングとしても楽しめますよ!」

アイデア溢れるきくらげの数々。これまで食べたことがないきくらげが楽しめそうでわくわくしますね。ぜひ坂口さんのレシピを参考にしながら、栄養抜群のきくらげ料理を食卓に加えてみてください。


有限会社 多家良培菌
徳島県徳島市多家良町中津2-6
https://takarabaikin.jp/



多家良培菌の商品は、Lacycle mallでお買い求めになれます。

国産乾燥きくらげ 黒・白セット

ぷりぷりとした肉厚の国産きくらげです。希少価値が高く、栄養価が大変優れている乾燥きくらげの黒・白セット。黒は中華料理や炒め物に、白はスープや酢の物、デザートなどにお使いください。